GDS950グロー放電発光分光分析装置

グロー放電源には以下のような様々な利点があります。

• 他の放電源と比較して簡単で直線的なキャリブレーション
• サンプル表面から離れた所で発生する、制御された励起
• 標準物質の消費量の削減
• 分析ごとの自動クリーニングにより時間を節約し、分析性能向上のためにマトリックス効果を最小限に抑制

検出システムは、以下の仕様で安定性、柔軟性、性能を確保します。

• 120 nmから460 nmまでの波長領域
• バルクスペクトルの最も複雑な特徴も識別する30 pm （0.030 nm）の分解能

オプションでCDP解析サポートをご利用いただけます。

• 固体導電性サンプルの組成深さプロファイリング
• メッキ、亜鉛メッキ、クラッド、その他の導電性表面処理試料に最適

Cornerstoneソフトウェアは、分析とレポートを簡素化します。

GDS950は、金属、または鋼、鋳鉄、チタンなどの固体材料のバルク元素測定に最適です。CDPオプションを装備すると、亜鉛メッキ、メッキ、熱処理、クラッドなどの表面特性の組成深さプロファイリングに対応できるよう機能を拡張します。DC/RFランプオプションにより、バルクとCDPの両方が塗料、ガラス、プラスチックなどの固体非導電性材料を含むように拡張され、アプリケーションの能力がさらに広がります。

グロー放電発光分光分析（GDS）は、固体サンプルの元素組成を直接分析するための手法です。平滑なサンプルをグロー放電源にマウントし、放電源を真空状態にしてアルゴンを注入します。サンプル（陰極）と電気接地されたランプ（陽極）の間に、定電場を印加します。この状態は、グロー放電と呼ばれる安定して自立した放電の自発的形成をもたらします。

印加電流は電源によって調整され、ランプの電圧はアルゴン圧の調整を通じて一定に保たれます。プラズマが開始されると、プラズマに形成された不活性ガスイオンが陰極への電場によって加速されます。陰極スパッタリングと呼ばれるプロセスを通じて、運動エネルギーは不活性ガスイオンからサンプル表面の原子に伝えられ、これらの表面原子の一部がプラズマに放出されます。

無線周波数（RF）オプションを備えた装置モデルでは、（直流ではなく）無線周波数エネルギーを使用してグロー放電を生成します。LECO独自のTrue Plasma Powerアルゴリズムを使用して、放射および反射電力損失を補正します。True Plasma Powerにより、導電性および非導電性サンプルに対して定量的バルク分析と定量的深さプロファイル分析の両方を実行するRF搭載モデルの能力が向上します。

原子がプラズマに放出されると、エネルギー電子または準安定アルゴン原子との非弾性衝突が起こります。このような衝突によって伝えられたエネルギーは、スパッタリングされた原子が電気的に励起される原因となります。励起された原子は光子を放出することにより、すぐに低エネルギー状態に戻ります。各光子の波長は、放出された原子の電子配置によって決まります。各要素には固有の電子配置があるため、すべての要素は固有の分光化学的な特徴または発光スペクトルによって識別できます。

スペクトロメーターではグロー放電からの発光信号を計測します。スペクトロメーター内の媒体が紫外線および可視光（120～460 nm）を透過するために、光学システム全体がアルゴンでパージされます。感光性の電荷結合素子（CCD）アレイは、120～460 nmの発光スペクトル全体が記録されるように焦点面に配置されています。

CCDアレイでは、スペクトルを電気信号に変換し、それをデジタル化して処理することで、暗電流信号を除去し、ピクセル応答を標準化するとともに、ダイナミックレンジを拡大してピクセル化を排除します。各素子から放出される光子の数はサンプル内の相対濃度に比例するため、被検物質の濃度は既知組成の標準物質を使用したキャリブレーションによって推定することができます。