928シリーズ燃焼によるマクロ分析

928シリーズは燃焼法(改良デュマ法)のテクニックを用いて食品、飼料、土壌など広範囲な試料の測定が可能な分析装置です。最新のハードウェアと当社専用のCornerstoneタッチスクリーン操作式ソフトウェアにより、ラボのスループット、ダウンタイムの削減、信頼性において更なる改良が加えられました。試料量最大3gまで(FP928モデル)の燃焼能力と迅速な分析時間、低ランニングコストといった優れた特徴を有し、不均一、前処理が難しい、低含有量など通常分析が困難な試料に対し最大限の能力を発揮します。

機能

  • 卓越した分析処理能力と最小限のダウンタイムでラボの効率化と生産性を最大化
    • 5分という迅速なサイクルタイム
    • 試料質量:
      • FP928:最大3.0g(公称1.0g)
      • CN928:最大1.0g(公称0.5g)
      • CNS928:最大0.3g(公称0.2g)
    • 連続分析と割り込み分析に対応した100サンプルのオートローダーを標準装備
  • ブームマウント式タッチスクリーンインターフェースを採用し、余分なスペースを使わず人間工学に基づいた作業空間を実現
  • すべての試薬および高頻度なメンテナンス領域に簡単にアクセス可能となりダウンタイムが削減
  • 試薬充填量の増加により交換頻度を低減し、装置の安定稼働時間を最大化
  • 最大温度1450°Cの横型のセラミック製燃焼管は純酸素気流中でサンプルを完全燃焼
  • 燃焼管は酸化剤などの充填試薬は不要で低コスト、低メンテナンス

アプリケーション

928シリーズは以下の用途に最適です。肉、飼料、飼料植物、ペットフード、穀物、製粉物、澱粉、発酵製品、乳製品およびチーズ、土壌、堆積物、肥料、植物組織、濾過媒体、廃棄物、繊維および布、樹脂および高分子化合物、紙製品、石油製品および添加物

分析原理

928シリーズは、食品、飼料から、土壌や肥料に至るまで、多くの有機物内の窒素/タンパク質、炭素/窒素、または炭素/窒素/硫黄を分析する装置です。分析システムは、燃焼法(改良デュマ法)を採用しており、1分析は約5分で終了します。

分析はセラミック製の燃焼ボートに試料を量り取り、オートローダーに置くことから始まります。完全自動化された分析シーケンスにより、サンプルは密閉されたパージチャンバーに移され、そこで混入した大気が除去されます。その後、試料ボートは1100℃~1450℃に加熱された燃焼部に挿入され、純酸素気流中でサンプルが燃焼します。試料を完全かつ迅速に燃焼させるために、燃焼管内に配置されたランスから試料ボートに向けて直接酸素が吹きつけられます。燃焼ガスは炉からサーモエレクトリッククーラー(窒素/たんぱく質および炭素/窒素モデル)または脱水試薬(炭素/窒素/硫黄モデル)を通って水分が除去され、バラストタンクに捕集されます。

タンク内で均一化された燃焼ガスは、サンプリングリープに分取されます。分取されたガスはヘリウムまたはアルゴンのキャリアガスで搬送され、赤外線検出器(NDIR)を通り炭素、硫黄が検出されます。その後、高温の還元銅試薬を通過して酸素が除去され、同時にNOxはN2に還元されます。赤外線検出器と異なり、熱伝導度検出器は選択性がないため、N2以外のガスは試薬によって除去され、干渉なく定量が行われるようにします。不純物が除去された燃焼ガスは 熱伝導度検出器(TCD)を通過し、窒素が検出されます。

Cornerstoneブランドのソフトウェアにより、分析のスループットを向上させるため、バラストタンクへの燃焼ガス捕集が終了すると次の分析試料測定準備がなされます。たんぱく質換算係数を乗じてたんぱく質(%)で表示したり、水分補正を行うなど、ユーザーごとにカスタマイズすることも可能です。

分析のスループットを向上させるため、バラストタンクへの燃焼ガスの捕集が終了すると炉内から燃焼済みの試料ボートが排出され、次の試料ボートの挿入準備がなされます。燃焼により生じた灰はボートと共に燃焼管を出て廃棄バケットに排出されるため、炉内へのダストの蓄積が軽減されます。

928シリーズには多くの診断機能が搭載されており、酸素やキャリアガスの圧力をモニターして安定した燃焼および検出を担保するとともに、セグメント毎のリークチェックが可能となっています。ガスフローはマスフローコントローラーにより制御され、燃焼炉、バラストタンク、サンプリングループ、マスフローコントローラー、検出器など重要な箇所はヒーターと熱電対で正確な温度管理が行われています。

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